「君が生きる意味」人生が「どうしますか?」と問いかけている~フランクルの教え

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今年の元日、都心は例年よりも暖かく、雲ひとつない晴天に恵まれ「こんな気持ちの良いスタートを迎える一年は、これまで以上の良い一年になりそうだ」と思ったのもつかの間・・・
1月中旬ごろからチラリチラリとニュースで見かけた隣国からの情報が、あっという間に日本へ、そして世界中へと拡がっています。
春の植物も花をつけ始め、外出したい気持ちになりますが、知らない間に感染しているかもしれない目には見えないこのウィルス。毎日発信されるさまざまな情報をみるたび経済や生活への影響も不安になります。

元日に感じた清々しさが吹き飛ばされ、いつも以上に不安を抱えるこの時期に手をとった本が「君が生きる意味」。ナチス強制収容所のサバイバーでもある「夜と霧」の作者ヴィクトール・エミール・フランクルが提唱する「ロゴセラピー」を物語形式で読みやすく紹介した入門書的内容の本です。
※ロゴセラピーって?
「人生これでいいのかぁ・・・」「自分の生きる意味ってなんだろう・・・」と生きることに対しての不安感や虚無感に対しロゴセラピーは、自己を内省し、「生きる意味」を発見する心理療法といわれています。

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物語は主人公の青年と「小さいおじさん」とのやり取り

ある日「小さなおじさん」の姿が見えるようになった日々の仕事に疲れてしまった青年。この「小さなおじさん」、表紙に描かれているように鉛筆のようなとんがり頭に黄色い長靴と妙な姿をしています。話し言葉も極端に訛っていて、ちょっと(かなり)ふざけてます。フランクルはユーモアをとても大切にした人だったそうですが、青年との会話にユーモアが入ることで楽しく読み進めていくことができました

本書を読む前から 私の印象に残っていたフランクの言葉

実はフランクルの著書を読んだのはこれが初めてではありません。「夜と霧」という作品を以前読んでフランクルに興味をもっていたので、今作も手をとってみたという経緯があります。最初に読んだ「夜と霧」の中で強く心に残った言葉がありました。それが
「それでも人生にイエスと言う」。
※ナチス強制収容所で生き延びた経験から出てくる「それでも」という言葉の力強さを感じます。
「人生が我々から何を期待しているのか」
※何か問題にあたったとき、ともすれば、「私はどうしたらいいんだろう」と「自分」中心の考えで視野が狭くなってしまいます。しかし「人生が」と一歩引いて見ることで俯瞰的に問題を考えることができるよ、という気づきを与えてくる言葉です
本書では、この言葉以外にもフランクの言葉にこめられた背景と考えが読みやすく書かれています。

過去を再評価する

仕事での経歴や経験を「キャリア」といいますが、キャリアの語源は馬車が走ってできた「わだち」を意味するそうです。キャリアとは「過ぎてきた軌跡」(過去)を言うことだと恥ずかしながら本書で知りました。
小さなおじさんは青年へ、辛い日々だった過去を否定してしまうと、そこからつながる「わだち」で現在、未来までもが否定され「辛い日々」一色になってしまうよ。過ぎてきた「わだち」に目を向けて再評価(事実は変わらないけれど受け止め方を変えてみる)することで「わだち」の意味が、そこから先への時間の意味が変わって行くよ、と語ります。(『過去を愛せる人は未来から愛せる』)
私の経歴は理系出身、食品メーカー → メンタルクリニック →社労士と業界も仕事内容もバラバラで決して綺麗な一本道ではありません。しかし、そこには私が走ってきた確かな「わだち」が存在しています。異なる業界での経験が現在の仕事をする際の視点を豊かにしてくれていると思います。

自分が好きでたまらない

青年は小さなおじさんとの会話から、「自分が好き好きでたまらない賞」をめでたく?!受賞します。その理由は青年が語る言葉には「自分が」「自分を」「自分の」・・・「自分」ばかり。つまり青年の思考の中心は「自分が」。
「自分が」好き=自分のことを考えるのが好き
→ 理想の自分、なりたい自分を考えている=自分を中心にして世界を考えている
(つまりは、自分のことしか考えていない)
→ でも現実は理想の自分になっていない自分
→「もっと~しなきゃ」「もっと!」「もっと!!!」
→・・・理想の自分にとどかない自分が「虚しい」なぁ・・・
ここで小さなおじさんは
『それは、自分を中心にして人生から答えを与えてもらおうとする思考パターンだべな。・・・・自分を中心にして人生を見るのではなく、人生を中心にして自分を見るだっちゃ。』
『人生はいつでもあんだに問いかけてるんだぁ。色々と悩ましい出来事をあんだに差し出し「どうしますか?」ってな・・・』
その問いかけは日々現実の出来事によって行われる。問いに対してあなたはどんな選択肢(答え)を選び人生に差し出すのか・・・
私の過去を振り返ると、それまで対内的業務だった食品メーカーから対外的業務のクリニックへ転職した当時、不慣れな環境でつまづく私に、日々起きる出来事が「さぁあなたはここでどうしますか?」とまるで欠点をお盆に乗せて差し出して問われているようだったなぁと思い出しました。私自身当時は今以上に「自分が」「自分で」の「自分」ばかりの思考であちこちぶつかってばかりいたなぁ・・・とも。
今は今で日々流れる日本や世界で起きているニュースを見ていると「それで、あなたはどうしますか?」と問われている気がします。
フランクルの言葉に『あなたが人生に絶望しても、人生は決して人に絶望しない』があります。生きている限り日々何かしら起こる出来事から、常に「さぁどうしますか?」と選択を迫られることは、人は常に選び取ることを期待されている存在なんだと・・・(問に対して答える人は「どうありたい」のかで答えも異なってくるのでしょう)

この本はフランクルの教えが現代の青年と小さなおじさんとの対話の内容からわかりやすく描かれており、後ろの解説にもこの本は『ロゴセラピーの実践の書です』書かれているように、自分の体験を振り返りながら読むことができました。
こんな不安が多い時期だからこそ、読んでみるのもおすすめです

おまけ

この冬は例年以上に睡眠&手洗いうがいを意識したおかけで、一度も風邪を引くことなく春を迎えられました。引き続き習慣化していきます。

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大安吉日
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