井上ひさしの作文教室

スポンサーリンク
読書
スポンサーリンク

  ブログを書くようになってから、相手に伝わる文章の書き方、について考えるようになり、
手にした本がこの「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」。
この本は岩手県一関市で3日間かけて一般市民に向け開催された「作文教室」の講義内容が
書かれています。文章を書くコツや日本語の特徴などがわかりやすい言葉で解説され、とても興味深くあっという間に読み進めた一冊でした。その中で印象に残った言葉を紹介します。

一時間目の言葉

  『作文の秘訣を一言でいえば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね。』
  いきなり本質を告げる言葉から始まります。
さらっと言っていますが、「だれにでもわかる文章」書くのは難しいです。
やはり、本文でもこの言葉の後に「これが出来たらプロ中のプロ」とありますし・・・
それでも、そのコツは『作文の場合には読み手がいるのでその「読み手」のことを考えることが、実は「だれにもわかるように書く」ことなんですね。』とあります。

二時間目の言葉

  『わたしたち、日本語のことを実は知らないんですよね。』
  普段何気なく、母国語として使っている日本語についていろいろな角度で解説しています。
例えば、
 ・『日本語は、言葉にすでに性別があるのです。』
小説を読んでいても、台詞を読めば、「―と、彼が言った」と書いていなくても男性が言った言葉か女性が言った言葉かわかります。
 ・『「を」は、材料というより出来上がったものを必ず指す決まりになっているんですね。』
「湯・を・沸かす」という表現はあるけれど、「水・を・沸かす」とは言わない。
同じように「飯・を・炊く」とは言うけれど「米・を・炊く」とは言わない。

三時限目の言葉

  『「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」これが文章では大事なことです。』
  誠実さ:人の言葉ではなく自分の言葉
  明晰さ:自分のものの考え方の展開や何を、どう書いているのかをはっきりつかんでいる
つまり「文は人なり」ということでしょうか。
『文章に接着剤を使いすぎるな』
接着剤・・・「―ので」「―ために」「―が、―」などの接続詞や接続助詞のことです。
これらの言葉が入ると「理屈をこねる」ことに使われてしまう。何も言っていないのにすごくいいことを言っているような気になってしまう・・・私も接着剤よく使っていい気分になっていたかもしれません。

四時限目の言葉

  『「は」と「が」の使い方』
象は鼻が長い ・・・あれ?一文に主語が2つある???
無意識のうちに使っているけれど、改めて考えるとわからないですね。
理論的に「は」と「が」について具体例をあげてその違いが説明されています。
  本の最後は作文教室の受講生が書いた作文が井上ひさしさんの添削付きで掲載されています。
添削には一つ一つ解説が入っていて、井上ひさしさんの文章の考え方、センスが学べます。
中には添削が全く入らず「作品の域をはるかに超えています」とか「完璧です」といった講評の
ある作文も。

おまけ

  文章の書き方を知りたいと思って手にした本ですが、思いがけず日本語の特徴やその言葉の根底にある文化から戦争、教育論まで幅広い話で展開されていました。
この作文教室、一関で中学時代を過ごした井上ひさしさんが「恩送り」としてボランティアで講義されたものだそうです。そしてこの本はその主催者が受講生たちだけで独占するのは申し訳ないと「恩送り」で出版に至ったとありました。

読書
スポンサーリンク
大安吉日
タイトルとURLをコピーしました