対話のことば オープンダアローグに学ぶ問題解消のための心得

読書

仕事で、コミニュケーション力アップの企業研修を行う機会があります。

そんな私の姿を見て、
先日友人が

「この本おもしろいよ。参考になるかも」

と教えてくれました。

実際手にして読んでみると、
仕事だけではなく、家庭や日常生活でも活かせる考え方が書いてあるなぁと感じました。

今日はその

「対話のことば オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得」

をご紹介します。

人は人と関わりあいながら生きている

人は家庭や地域、職場、学校など
さまざまな人と関わりあいながら生活しています。

さまざまな人と関わることで、
ひとりでは成し得ないことが達成できる一方、
誤解や立場の違いによる衝突などの問題も起こります。

人と関わりあうことで起こる問題を解消する方法の一つに、

「対話」

があります。

この本の元になっているのは

「オープンダイアローグ」

です。

 

オープンダイアローグは

「問題を解消する力を持つ対話」

と言われており、
フィンランドで開発された対話を中心としたミーティングによる
精神医療の現場で使われている治療方法です。

この本はオープンダイアローグの手法に注目して、対話という行為を紐解き、
その考え方を30の「対話のことば」にまとめ、
体系化して紹介されています。

対話と会話の違い

この本は関わりあう人と話をすること「対話」について書かれています。

日常で人と話をすることについてあらわす言葉には「会話」もありますね。
あれ?「会話」と「対話」どう違うのでしょう。

 

気になったので本を読みすすめる前に調べてみました。

会話:二人または数人が、互いに話したり聞いたりして、共通の話を進めること。
(大辞林 第3版より)
雑談や日常生活でのコミニュケーションをとるためのやりとりですね。

対話:双方向かい合って話をすること。(大辞林 第3版より)
相互理解するためのコミニュケーション、
信頼関係を築くためにお互いが向き合って話をする。
対話の場合は会話と異なりお互いで話をすることで、
相手とある一つの物事にの意味を共有し理解を深めること。

 

つまり、対話は会話よりも話をする人の内面に一歩踏み込んで、
ある出来事に対しての考えを示し合い、理解を深めるという行為、とも言えますね

対話のことば

この本は紹介されている30の「対話のことば」について
1つづ見開きで「ことばを意味する心得」が書かれています。

「ことばを意味する心得」とはその「ことば」で対話をするときに、

どのような「状況」のときに、

どのような「問題」が起こりやすく、

また起こってしまった問題を「解決」するため

どうのように考えていくとよいのか。

そしてその考え方を実践するとどのような「結果」につながるか、

ということが端的でわかりやすく表現されています。

また、「ことばの内容をイメージでつかむためのイラスト」もあり、
表紙にあるようなやさしいタッチのイラストから視覚的に
そのことばが意味するところがつかみやすくなります。

30のことばの全体像は、大きなカテゴリーをあらわす3つのことば

①体験している世界、
②多様な声、
③新たな理解      

と、この3つのことばの心得を実践するための各9つのことば、
という形で紹介されています。

30のことばの中で私が印象に残った
「ことば」とその意味する心得は、下の2つ。

「3.新たな理解」
(問題を解決するのではなく、問題の解消をもたらす)

『起こっている自体に対して対応策を講じたとしても、
問題が生じる要員に踏み込んでいないと、
問題が再発してしまう恐れがあります』      (状況)

『問題やその状況について、
共有し得る新しい理解が得られるまで、
さまざまな視点を踏まえて対話を重ねていきます』 (解決)

『問題に対して囚われていた視点や解釈から開放され、
問題そのものが融解していきます。』       (結果)

 

この「ことばの心得」は仕事でミスをしたときや、
指示の意図がきちんと相手に伝わらなくて問題が生じてしまったときの対応の仕方に通じます。

次からは

「このやり方にしましょう」

と物事を対処することは問題の

「解決」

にはつながりますが、類似した別の問題が発生する可能性はあります。

一方で、

なぜそうなったのか、
その行動を起こした考えにいたったところまで双方で共有すること

で相互理解が深まり、

問題の「解消」(根底にある問題そのものが融解する)につながっていきます。

「25.それぞれの認識」
(人の数だけ、認識がある)

『それぞれが自分の視点からの認識にもとづいて話をしているだけでは、
どの視点をとったとしても状況を一面的にしか捉えることができません』(状況)

『それぞれの人が語っていることは、
それぞれの人にとってのりあるな認識であることを尊重し、
それらを持ち寄りながら対話します。』               (解決) 

『一人ひとりの認識について知ることができ
~そのように事なる認識が混在する《混沌とした状態》が生まれ、
そこを超えると《意味の変容》が起きます。
その結果《新たな理解》をみんなで見出すことにつながるのです。』  (結果)

仕事だけでなく、家庭でも相手に対して

「もっと○○してくれたらいいのに」

「○○して当然でしょ」

と思っていても、相手は相手の視点(認識)で行動している。

それぞれの認識をお互いに言葉に出して話して伝え合わないと、
一人で抱え込んでしまったり、勝手な解釈で動いてしまったりしてしまいますよね。

 

この本は「オープンダイアローグ」という方法を
普段の生活でも使える形でパターンに分類して紹介されています。

「対話のことば」は人と人とのつながりで起こる問題を
対話を通じて解消していくための方法になります。

これまでに「なんとなく」感覚的に体感していたことを
30のそれぞれ「ことば」に書かれている「心得」を読むと、
(3つのカテゴリーで分類されていることから)

「ことば」で表現されているので、これまでぼんやりと感じていたことが
輪郭をもって「対話」ということに対する理解を深めることができました

日常生活ももちろんのこと、
さまざまな人と関わり合いながら行う職場では
コミュニュケーションのための「会話」も必要ですが、
効率よくスムーズに仕事を進めていくには「対話」が必要です。

「対話のことば」の心得を実践することで
日常のコミニュケーションに活かしてみてはいかがでしょうか?

読書
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大安吉日
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