自分自身へ思いやり目を向ける ~セルフ・コンパッションのすすめ~ その3

仕事

セルフ・コンパッションとは

例えば友人が仕事でトラブルに見舞われて落ち込んでいる時、
わたしたちは友人の置かれている状況に理解を示したり、
友人の気持を思いやったり、励ましたりします。

なのに、いざ自分がトラブルに遭遇すると、、
怒りや悲しみといったネガティブな感情に囚われて

「なんであんなことしてしまったんだろう」

と自分を責めたりしてしまいます

セルフ・コンパッションとは、
トラブルに見舞われた友人に対して思いやりをもって接するように、

自分に対しても思いやりの目を向けることを言います。

“コンパッション”には、「思いやり・慈悲の心」という意味があります。
それを自分自身にも向けることで、心を穏やかに保てるようにしましょうという考え方です。

その1は「セルフ・コンパッションを構成する3要素」を

その2は「セルフ・コンパッションが「低い」「高い」とはどういうこと?」をご紹介しました。

 

今回は「セルフ・コンパッションを高める方法」をご紹介します。

セルフ・コンパッションを高める方法

正しい姿勢で深い呼吸をする

落ち込んでいると前傾姿勢になりやすいなど、
姿勢はこころの状態と密接に結びついています。

正しい姿勢で深い呼吸をすると体中に酸素がめぐりリフレッシュ効果が生まれます。

(正しい姿勢)
頭が上の方へと引っ張られるイメージで背筋を伸ばして足を肩幅程度に広げて立つ。
両腕をだらんとさせた状態の時、手のひらは通常横を向いてます(親指が正面を向く)
ここで手のひらを正面へ向けてみましょう。

肩(胸)が少し開きます。
この状態で大きく息を吸って、ゆっくり長く吐きましょう

スムージング・タッチ(自分を触って優しくなだめる)

友人が落ち込んだり、悲しんだりしているときに、
その思いに寄り添い、優しくそっと背中に手をかけることで、
友人の気持ちが安心し、落ち着くように、

ネガティブな感情を感じたときに自分に対しても優しく穏やかに両手で身体を触ることで、
自分を安心させ落ち着かせることができます。

例えば
・両手(または片手)を胸に当てる
・優しく胸(または腕)をなでる
・両手(または片手)で顔をやさしくなでる
・両手をお腹におく など

他者の視線を心配しなくてもいいように人目のつかない場所で、
例にあげたような気持ちの落ち着くやり方で自分の身体に触れてみましょう。

そして触れたあとの自分の身体の感覚(暖かい、落ち着つくなど)に注意を向けてみましょう。

冷静さを取り戻すことができます。

セルフ・コンパッション・ブレイク

自分にストレスがかかっている、ネガティブな感情を受けていると感じたら・・・
セルフ・コンパッションの3つの要素を使って対処することができます

①自分がどの様に感じているかを認める言葉をかける(マインドフルネス)
「これはつらい状況だ」「痛い!」「あぁ、ひどい!」

②人生には悩みや苦しみ、辛さがあるものだと(共通の人間性)を思い出す
「似たような状況になったら、誰でもこんな感情をもつさ」
「きっと自分と同じような経験をしているよ」
※ここでスムージング・タッチを行うと困惑した状況から落ち着きを取り戻すことができます

③自分自身への思いやりのある言葉をかける(自分への優しさ)
「ありのままの自分を受け入れられますように」
または、同じ状況下の友人がいた場合、自分はどんな言葉をかけるだろうかと思う

セルフ・コンパッション・ブレイクを行うことで、
自分のネガティブな感情に目を向けて受け入れることで、それを取り除く行動をとることができるようになります。

ヒトは誰でも日々の生活でストレスを受けたり、
ネガティブな感情にさいなまれたりしています。

そんな時でも、自分へ思いやり、優しさを向けて自分自身を素直に受け入れることで、
問題にどう対処すればよいかを考え、行動することができるようになります。

感情は共鳴する

例えば、職場の上司がイライラして理不尽に部下を怒鳴りつけている場に出くわしてしまうと、
(自分が部下の立場でないにもかかわらず)
嫌な気分になってしまったり、

街角で困っている人を通りすがりの人が
立ち止まって助ける姿を見かけて暖かい気持ちになるように、

悪い感情であれ良い感情であれ、私達は他者の感情に影響されあっています。

自分自身へ思いやりの目を向けることで、
他者への思いやりの目も養われ、
感情が共鳴して他者からの思いやりも自分へ向けられる。

そして周囲から受け入れられている自分は自分で
「受け入れても良い」という好循環を生み出すことになります。

自分を自分の最高の味方にする

ニーチェの言葉に「君が出会う最悪の敵はいつも君自身だ」とあります。

ややもすれば、自分に対して一番厳しい目を向けて責めるのは自分自身となり、
自分に対して自分でストレスをかけてしまいます。

セルフコンパッションを通じて自分の感情に寄り添い思いやる目を向けることで、
自分を自分自身の最高の味方にしていきましょう。

参考:ハーバードビジネスレビュー2019.5号、セルフ・コンパッション(石井郁夫著)
マインドフルネス・セルフ・コンパッション・ワークブック(K・ネフ、C・ガーマー著)

仕事
スポンサーリンク
大安吉日
タイトルとURLをコピーしました